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2011年2月25日金曜日

TPPとは何ぞや?

最近、にわかに「TPP」という言葉を聞く。日本の農業がどうなるとか関税がどうとか、いろいろなことがあちこちで言われているが、そもそもTPPて何?自分でもイマイチ分かってなかったので、いい機会とばかりに調べてみた。

「TPP」とは「Trans-Pacific-Partnership」の略称で、日本語では「環太平洋戦略的経済連携協定」、言ってみれば「アジア太平洋諸国の自由貿易を目指す経済圏」のことらしい。つまり、この経済圏に参加している国どうしの貿易品にかかる関税を下げて、貿易の活発化を図ろうというコンセプトだ。

このTPP、最近はアメリカの思惑がどうとか言われているが、初めはブルネイ、チリ、シンガポール、そして今地震で大変なことになっているニュージーランドの4カ国が始めた、ごく小規模の経済協定であった。というのも、この4カ国は自国の産業というものがそれほど大規模ではなく、いわゆる「保護貿易」のメリットが希薄であるため、それだったら相互の関税を無くして、お互いWin-Winの関係を築きましょう、というのが発端であるとのこと。

このように静かな船出であったTPPであるが、昨年2010年に「世界一の経済大国アメリカ」が参加を表明してから事態は一転。日本もこの経済協定への参加をどうするのか…と真剣な議論が望まれることとなった。

…というのがバックボーンにあるのだが、果たしてアメリカは日本が思っているほどこの協定に前向きなのか?という見方もある。もしアメリカが本気でこのTPPをフル活用しよう!という気があるのなら、確かに日本の一部の人たちが言うように、日本の農業は大きなダメージを受けることになるのかも知れない。現に、農水省はTPP参加における経済損失を試算し、参加には反対の立場を貫いている。ちなみに、日本の主要産業である工業製品は既に関税が低くなっているため、TPPの影響はあまり受けることはない。影響を受けるのは主に農産物である。

恐らく、今回のアメリカのTPPへの参加は、対日本というものではなく、むしろ対中国なのではないか?という気がする。それも、本気でTPPに参加…というよりも、中国へのプレッシャーという「ポーズ」の意味合いが強いのではないか…と読んでみる向きもある。つまり、日本は自意識過剰で、被害意識も過剰であると言うことだ。今や、そこまで日本は大きなマーケットではない。

何とも言い難いが、私の意見を一つ。多分アメリカはそこまでTPPに肩入れはしないだろう。今のアメリカ政権が、そこまで対外貿易に興味はないんではないか?と思えるから。それよりも中国の横暴これ以上許すまじ…的な雰囲気をプンプン匂わせているので、志を同じくする諸国とともに圧力をかける意味でも、ある程度有効なのではないのか、と思う。そして、かつてほど日本が経済的に重要視されていない、という事実もある。まあ、こういうことって内側にいると分からないんだよね。

どうなるのか、本当にふたを開けてみないと分からない問題である。ただ一つ言えることは、こういう問題は外交によって大きく左右される問題であると言うこと。であるから、結局今の政府によって批准はなされても、むしろ問題はそのあとで、自国の立場をはっきりと主張し、本当にWin-Winになれるのか?それとも言われるがままホイホイと押しつけられ、自国産業がズタズタになるのか?全ては外交にかかっているのは言うまでもない。

結局…今の政府にはあんまり期待しづらいなぁ。

以上。

参考資料:溜池通信Report「TPPとFTAへの個人的見解」Vol.462 2/11 2011

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