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2010年7月1日木曜日

酒学 第1回


タイトルに「プラズマ・音楽・車・」って書いたはいいが、音楽ばっかで酒とプラズマについて全然書いてない。なので、酒について書こうと思う。

酒は大きく「醸造酒」「蒸留酒」に分けられる。

「醸造」とは醸(かも)すこと、いわば「発酵」である。
…しかし「発酵」とは都合のいい言葉で、要するに”腐らせるのとほぼ同義”である。

醸しているお酒。

「腐敗」というのは、有機物が何らかの要素によって変質することである。なお「腐る」の語源は「腐」という漢字から読み取れるように、有機物である”肉”が変質することを意味していると思われる。

発酵とは、主に糖分が腐敗することによる生成物、つまりはアルコールの生成を期待した化学反応のことである。その反応を促すために触媒である「麹」を添加、すなわち発酵の母となり得る「酵母」を添加するのである。

触媒による反応の促進。
触媒とは反応速度を早める物質のこと。
酵母の働きは、この触媒と似ている。

こうして作られたアルコールをそのまま利用したのが醸造酒である。熱や紫外線などによる殺菌、濾過の過程を含んでいるにしろ、基本的には醸造されたアルコールをそのまま利用していると考えて差し支えないと思う。従って、醸造反応は微量ながら現在進行形で行われており、その証拠に醸造酒のアルコール分は「○%以上、△%未満」と記載されているはずである。これは、パッケージングされた後でもアルコールへの置換反応が起こっており、厳密なアルコール度数の計測が開封時まで不明であることによる。

主な醸造酒は
日本酒(米の醸造酒)
ワイン(ブドウをはじめとするフルーツの醸造酒)
紹興酒(中国生まれの米の醸造酒)
ビール(麦の醸造酒)

一方「蒸留酒(スピリッツ)」は、発酵によって得られたアルコール、すなわち「醸造酒」を蒸留し、アルコール度数を高めた後、加水して適切なアルコール度数に調整した酒である。場合によってはその後「樽」に貯蔵することによって風味の増強を狙ったものがある。

こう書くと、ただ醸造酒を蒸留すれば蒸留酒になるように見える。しかし、その製造過程は複雑で、蒸留器の構造(単式・連続式)、配管、原料の仕込みなどによってその風味は驚くほど変化し、味わいを深いものにしている。

スコットランド・ラガヴーリン蒸留所のスチルポット(単式蒸留器)。
スコッチウィスキーは、このような古典的ともいえる蒸留器を用い、
原料の風味を色濃く残したウィスキーを生産している。
(出典:Wikipedia)

主な蒸留酒は
焼酎(米・その他穀物の蒸留酒)
泡盛(沖縄の蒸留酒 黒麹を使い発酵、カメで保存する)
ブランデー(フランスのブドウをはじめとするフルーツの蒸留酒)
ウィスキー(スコットランド発祥の麦の蒸留酒 樽で保存する)
ラム(ジャマイカのサトウキビの蒸留酒)
ジン(オランダ生まれの雑穀の蒸留酒 ジュニパーベリーで香り付け)
ウォッカ(ロシアの雑穀の蒸留酒 炭で濾過する)
テキーラ(メキシコの竜舌蘭の蒸留酒)
アクアヴィット(北欧のイモの蒸留酒)

なお、日本には「酒税法」という法律があり、日本の酒(日本酒・焼酎)やビール類に関しては製法、原料などによって細かく分類されているが、海外から持ち込まれた酒については厳密に定義されていないものも多く、ただ単に「スピリッツ」や「果実酒」とカテゴライズされている。

しかし、その酒が造られている海外では、日本と同様、分類について細かく定められているものが多く存在する。例えばビールでは、ドイツには「ビール純粋令」というのがあり、製法や原料について事細かく定められている。ちなみにこの法律は、食品を扱った現行の法律としては世界最古で、その誕生から実に500年を経ている。

その他の酒に関しても細かく分類があるが、それはまた次回以降に。

以上。

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