初対面の人に自己紹介したとき、必ず「プラズマの研究をやっていたんですよー」ということにしている。そうやって、世の中の「プラズマ」に対するイメージを探っているのである。
最近は「テレビの研究ですか?」と言われることが多い。まぁ…確かにプラズマテレビというものもあるが、あれは光源としてプラズマを利用しているに過ぎない。もっと言えば、放電によるキセノンプラズマが紫外線に反応するRGB蛍光体を光らせ、映像として表現しているのである。原理としてはCRTに似ている。
CRT(Cathode Ray Tube)の構造。
左側、黄色い四角で表された電子銃から電子を放出し、
スクリーンに到達するまでの間に電界がかかっており、
その電界で電子の向きをコントロールする。
その電子はスクリーンに当たることによって蛍光体を光らせ、色を表現する。
PDP(Plasma Display Panel)の構造。
電子銃こそ存在しないが「セル」と呼ばれる小さな箱の中に電極、キセノンガス、
RGBの蛍光体が封入されており、RGB蛍光体は小部屋に仕切られている
任意の色の部屋でプラズマを発生させることにより、
その色を光らせることができる。
また、最近は「プラズマクラスター」なる空気清浄機が登場した。「クラスター」とは、簡単に言えば「原子がおだんご状に集合した分子」を差し、炭素がサッカーボール状に60個結合したC60カーボンクラスター(フラーレン)が有名である。
この製品が「プラズマ」…という名を冠するからには、放電または熱、レーザーなど、外部のエネルギーをナニモノかに付加することにより、そのナニモノかをプラズマ化し放出しているのであろうが…。まあ、その「ナニモノ」は「水」以外の何物でもないのであろうが。
プラズマクラスターとは、
正イオンの周りを水分子が取り囲む構造をしているらしい。
中学校では「水の電気分解」を習う。この「分解」という反応は「結合」という反応の逆反応で、水を水素イオン(1価の正イオン)と水酸化物イオン(1価の陰イオン)に分解し、水素イオンが電子を受け取ることによって水素分子(H2)が発生し、水酸化物イオンは再び水分子の戻るものと酸素原子になるものがあり、その結果酸素が発生する…という反応であった。
その分解エネルギーは「電気」からもらっているわけで、プラズマというのは、その「電気分解」の延長線上だと思えばいい。熱、光、電気、レーザーなどのエネルギーを得て物質が気体からイオン化することを「プラズマ化する」と言うが、恐らく「プラズマクラスター」なるものは、この電気エネルギーを利用して水をプラズマ化し、放出している…と考えられる。
しかし、ここで疑問があがる。
イオン化した原子・分子は非常に不安定で、放出したら「あっという間」に他の物質と反応し、別の何かを作り出すはずである。問題はその「放出後の寿命」で、空気中に放出したとき、一体どれだけの時間空気中に存在することができるのか?
そもそも上の絵の「プラズマクラスターイオン」なるものはどういう仕組みで作られるものなのか?
うーん、分からないので、また明日調べることにしようと思う。
以上。
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