電力使用量NOW

2011年5月23日月曜日

サンライズ計画(笑)

またしてもやってくれました!さすが首相!フランスのサミットでやってくれるそうですよ!何でも「2030年までに太陽光パネルのコストを1/6にする」んだそうです!すばらしいことです!

以下マジレス。

太陽光パネルという代物、簡単に製造コストが下がるようなものではないんです。知って言ってるのか、口から出任せなのか?サッパリ分かりません。

太陽光パネルの原料は「シリコン」と呼ばれる元素。日本語で言えば「ケイ素」である。半導体材料として重要なポジションを占めている。その埋蔵量は極めて豊富で、地殻には大量に存在する、ごくありふれた材料である。この時点で原材料の調達コストを削減することはできない。

このシリコンを基板の上に堆積させるのだが、その方法は様々である。いずれにせよ、ケイ素そのままの状態では簡単に堆積させることができないため、ケイ素を含むガス状の材料を用いて、高温の状態で堆積させることとなる。

このときに問題になるのが、その堆積させるための装置。一度に製造できるパネルの量を増やすには、製造装置そのものの大きさをデカくしてやらなければならない。半導体材料は、不純物を可能な限り排除するために、大気圧の何100万分の1という真空を作りだし、その中に材料を導入し、何100度、場合によっては1000何百度という温度をかけ、製造している。そのためには高性能のポンプが必要になる。しかしながら、どんなに高性能のポンプであろうと、一瞬でそのような高真空になるわけではない。装置が大きくなればなるほど尚更である。また、装置が大きくなればなるほど、材料の分解や温度の印可に、ポンプを回すのに必要な電力も増加する。太陽光パネル製造の過程で、恐らく一番お金がかかるプロセスがここであろう。単価を下げるには大量生産が必要であるが、そのための装置を開発するには途方もない開発費が必要になる。決して、材料が安くなったからと言ってデバイスそのものの単価が安くなるわけではないのだ。製造装置全体で眺めて、既存のものでは不可能であれば、その機器の開発も必要となる。半導体デバイスは「小型・軽量」を目標に進化したデバイスであるため、太陽光パネルのようないわば「大面積、大容量」は、その逆を行くデバイスである。そのようなデバイスの単価を下げることは容易ではないと思われる。

技術開発は政治的な影響を受けてはならない。私の信念であるが、最近の日本はそれにしてもひどすぎる。トップが言いたい放題で、その後の責任は技術者。これじゃ、いくらたっても理系人間の地位向上は見込めない。理系文系と2分化することは悪いことだとは思わない。だからといって、お互いの理解がまるで進んでいないじゃないか?特に政治家たちの技術に対する無知ぶりは目を覆いたくなる現状が日本には存在する。

腹立たしいことこの上なし。

以上。

0 件のコメント:

コメントを投稿