電力使用量NOW

2010年12月10日金曜日

楽器の構造って、そんな単純なものではないと思った矢先にベースが不調を訴えて云々…

エレクトリックな楽器って、よく考えてみればアコースティックな楽器以上にアコースティックなんじゃないのか?という気になる瞬間がある。

例えばエレキギター。構造で言えば極めて単純だ。

弦の振動をピックアップで拾う。ピックアップは磁石の周りにコイルが巻き付けてあるだけであり。弦という誘電体で磁界を乱すことによって、その「磁界の揺らぎ」を「音」の信号として送出する。

エレキギターを始めた中学生の頃、なぜエレクトリックなのにボディの「鳴り」が、エレキギターとしての出音に影響を及ぼすのか分からなかった。弦が振動していて、それがピックアップで拾われるんだから、それを支えているだけのボディが音に影響を及ぼすとは考えられなかったわけである。だけど「ギターマガジン」や「プレイヤー」などの専門誌を見ていると、59年のレスポールの記事について「この59は生鳴りが最高だから、アンプに通せば安物との違いは素人でもすぐ分かる」と書いてあるわけだ。エレクトリックな楽器の仕組みと、その楽器そのもののアコースティックな特性がどう結びつくのか、考えが及ばなかったのである。

1959年製レスポールスタンダード。
家が1軒買えてしまうほどのお値段。
もはや高価な楽器はクラシック楽器の専売特許では無くなった。

しかし、そのうち気づくのであった。弦の振動がボディに伝わり振動することによって、その振動が弦へとフィードバックしている、ということにね。すわなち、弦の振動は、自身が振動することによって与えたボディの振動を再び受け取って、振動の質を変化させているのである。生鳴りが大きい…ということは、ボディ自体の振動も大きいということだから、弦へフィードバックする影響も大きい、ということになる。

弦の材質とボディの材質を比較すると、弦の方が硬く密度が大きいのは明らかだが、弦よりもボディの方が大きいために、振動の密度…という面ではボディの方が細かく、その細かさが倍音→音の豊かさというプラスアルファを弦へと伝えているのではないか…?とそう考えられる。ボディがしっかり振動することは、豊かな音への第一歩ってことですな。

さらに、エレキギターは「アンプ」という、もう一つの「楽器」を介することによって音を出す。スピーカー、アンプの回路、シールド、全てが音へ影響を与えるのである。たかが電気信号と侮る無かれ。すごくシビアなシステムになっているのである。

エレクトリックな楽器はアコースティックな良さなど一切無い…という人は、現代ではだいぶ減ったと思うが、私は上記のような理由で、エレクトリックな楽器にアコースティックな要素が皆無であるとは思わない。むしろ純粋なアコースティックよりも複雑なシステムを持っていると思っている。

ただ、これはアコギとエレキの「どちらが優れているか?」を論ずるものではない。それぞれにはそれぞれの良さがあり、単純に比較できるものではない、ということだ。

簡単に生鳴りを改善できるシステムは無いものかなぁ。発明したら、それはもう革命だろうな。研究してみようかな。

ベースのボディとネックがビビりはじめて、ふと考えたことでありました。ビビるってことは振動してるってことだから、まあ…いいことなのかな。でもビビって振動が犠牲になっているから、早く改善しなくては。ネックジョイント部分が怪しいんだよなぁ。

以上。

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