電力使用量NOW

2010年11月1日月曜日

事業仕分けに噛みついてみよう

さて、先日仰々しく「いよいよ、仕分け第3弾!」などと、バカの一つ覚えの如く声高らかに叫んだ「仕分け」という名の一方的な魔女裁判が行われたわけだ。とにかく、見ていて不愉快なので中継は見ていない。あとになってニュースで斜め読みするのであるが…。全く以て、この仕分け人諸氏の勉強不足には怒りを通り越して呆れ果てるばかりだ。

私は理系の人間なので、経済や政治、文芸や心理学などについては疎い。従って、これら分野については深く意見を言うことはできないし、何が正しくて何が間違っているのかを断言することはできない。同じようにこの仕分け人諸氏も結局は政治家。一部政治家と名乗ることができるかどうかも怪しい人物が混じってはいるが、一部の博学な御仁を除き、政治家に技術、開発分野について深い知識を持ち合わせている人はいない、と見るのが妥当であろう。その証拠に、ニュースにはこのような仕分け人のセリフが掲載されていた。

「温泉発電と地熱発電がどう違うのか」(亀井亜紀子参院議員)

発変電に関する初歩的な勉強をした者であれば、この違いは明確に答えられるであろう。しかし、このような基本的な知識もなく「仕分け人」とは笑止千万である。こんな口から出任せを世に向けて発したばかりに世間からは嘲笑され、専門家からはお前はそんなことも知らないの?とナメられるのが関の山であろう。恐らく、このカメちゃんは「同じ熱を利用しているのに、わざわざ温泉なんかで発電して何になるのか?同じ熱ならもっと熱いマグマを利用した方が良いんじゃないか?」程度にしか思ってないのだろう。つまり、発電に関する知識を何も持ち合わせていないくせに発電事業の仕分け!と声高らかに知識不足を露呈した挙げ句、全く見当外れな質問をして世間の嘲笑を買っている、全くおめでたい人たちだ。

地熱発電とは、言うまでもなく地下に存在するマグマを利用した発電である。しかし、マグマの熱を直接利用するわけではなく、マグマの熱を利用してお湯を沸かすのである。そして、地下から伸びたパイプを通して水を送り込み、別のパイプから蒸気を取り出しタービンにぶち当てる。言ってしまえば、化石燃料を利用して蒸気を発生させる火力発電と原理は何ら変わらないわけである。

しかし、温泉発電は蒸気を利用して発電を行うわけではない。こちらは熱をそのまま利用する発電方式である。ゼーベック効果という物理法則があり、ある特殊な素子(熱電素子という)の、例えば裏と表に温度差(例:裏→熱いお湯、表→寒い外気)が発生したとき、そこに電位差が生まれるという法則である。その逆現象にペルチェ効果というものがあり、こちらは電流を流すことにより特殊な素子(ペルチェ素子)の片側に熱、その逆側に冷気を発生させる効果のことである。温泉発電は、このような熱電素子を用いて電流を取り出す発電方式である。従って、システム自体が地熱発電とは全く異なっているのである。

温泉のわき出るときの蒸気を利用しているのではないか?と考えるお方も居られるかも知れない。しかし、温泉の蒸気は、火力発電のようなタービンには温度が低すぎて利用できない。そもそも温泉成分は、水の他に多量の不純物(温泉成分)を含むため、タービンのような「回りもの」に使うには、メンテナンス性を考慮すると不向きであろう。

火力発電に用いる蒸気は主に「乾燥蒸気」といい、水分を含まない蒸気である。「水なのに水分を含まないってどういうこと?」と疑問に思われるであろうが、ここでいう「水分」とは「液体状態の水」を指す。すなわち、100℃を超えていない液体状態の水分子の固まりのことである。従って「乾燥蒸気」とは、水分子がほぼ完全に気体となった状態の水蒸気のことで、その温度は驚くべきことに400〜500℃にもなるという。一般的に「水は100℃以上にはならない」という物理法則が広く知られている。小学生の理科の実験でも習う。しかしながら、ここで言う「水」とは「液体の水」を指すのであって「気体の水」には当てはまらない。なので、この法則は『液体の』水は100℃以上にはならない」とするのが妥当であろう。ちなみにこの温度上昇には際限が無く、温度をさらに上げていくと水分子の構成原子である「水素」と「酸素」がバラバラに分解してしまう。この状態を「プラズマ」といい、一般的には「物質の第4態」という俗称で知られている。

結局、全く異なる2つの発電方式を混同している時点で「勉強不足」といわざるを得ないだろう。このような専門性の要求される討論には、専門家を招集するべきであると思う。今の政権与党はまことしやかな「人材不足」である。どのような者であれ、高い志を持って自らの使命に臨むことは大切なことであろう。だが、それが自分の知識の範疇を超えてしまうこと、能力の届かないところにある場合、潔く身を引き専門家に任せるのもまた肝心なことである。それが出来ないのならば、それはただの「身の程知らず」である。今の政権与党は、身の程もわきまえず何でも自分たちでやろうとして、やる事為す事ことごとく失敗している。そう、某柔道選手崩れの参議院議員や某タレント崩れの元グラビア(最近も国会内で撮影してたって意味不明)仕分け人のコイツらのことだ。何も出来やしないくせに、こんな連中に税金で給料が支払われていると思うと、そりゃあいけ好かない話である。某柔道選手崩れなんて、7月の参院選から今までやったことといえば、悪代官様との「柔道引退会見」くらいじゃないか?もう11月だぞ?議員歳費は月いくらだ?調べたら130万との事じゃないか。こんな何もしない人間に今まで500万以上って…。

とにかく、こんな無意味なパフォーマンスで「埋蔵金」など出てこないことははっきりしたわけだ。やめるのであれば、某国への政府開発援助(ODA)や、国内へのバラまき諸処であろう。灯台もと暗し。目の前が見えていない今の政権は、全く以て異常という他ない。

以上。

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