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2010年7月26日月曜日

プラズマ再考 第5回

毎日暑いねぇ。
今日はまた30度超えていたみたいだが…。
夜になって雨が降り出し、雷も鳴り出した。

雷は代表的なプラズマである。
要するに、高電圧放電による空気のプラズマである。

雷はもっとも身近な気体放電。
あ、雷様におへそとられちゃう。

雷のできるメカニズムは、
1:地表が暖められ、水蒸気ができる
2:水蒸気は、空に向かって上昇する
3:上昇すると温度が下がっていくから、水蒸気は氷の粒になる
4:大量に生じた氷の粒どうしが、摩擦によって電荷を蓄える
(下敷きをこすると静電気が生じるのと同じ)
5:溜まりに溜まった電荷が、より低い電位の場所(=地上)へ移動しようとする
6:その電荷の移動の道筋が、稲妻となって現れる
7:大量の電気的エネルギーによって空気(大半は窒素)が電離し、光を放つ
8:電荷と空気との摩擦によって、轟音が発生する

プラズマとは、電離した状態の気体(液体の場合もあるが)を指すことは、何度かこの場で述べてきたが、雷がプラズマである由縁…それは上記「7」の通りである。

雷はいろいろな光を発しているが、多くは白〜ピンク色であって、一般的に表現されるような「きいろ」の光は発しない。

これは、空気の組成の大半を占める気体が窒素であって、放電エネルギーにもよるが、その窒素のプラズマは主に400nm付近の波長を示すからである。

この画像が全てではないが、
波長と色の関係はおおよそこの通り。
光には「輝度」というパラメータがあるため、
強い輝度の光はより明るく、弱ければその逆である。

白色光とは、いろいろな光が合わさった結果であり、またその電気的エネルギーの大小をも表す。つまり、強い雷は白く明るく、弱い雷は暗くピンク色なのである。

光の3原色は
「あか(R)」「みどり(G)」「あお(B)」である。
この3つの色の強度(輝度)を調整することにより、
原理的には全ての色の光線を表現することができる。

光のエネルギーは、プランク定数hを用いて、以下のように表される。

e=hν(eV)

左辺はエネルギー(eV)、右辺はプランク定数と光の振動数ν(Hz)の積である。

光の振動数は波長の逆数であるから、この式は波長が短ければ短いほど高エネルギーであることを示している。

ただし、これは単色光の場合であって、雷や日常生活で目にするほとんどの光が、たくさんの光の集合である。例外はトンネルに設置されているオレンジ色の光…ナトリウムランプや、赤・青・黄色などの単色LEDなどは、固有の波長を示す単色光である。

個人差は少なからずあるが、人間の目には、紫色である300nm付近から赤である800nm付近の波長までしか見えない。300nmを下回ると紫色の外の光…紫外線となり、800nmを上回ると赤色の外の光…赤外線となる。

赤外線をいくら浴びても暖かく感じるだけだが、紫外線を大量に浴びると危険と言われるのは、この紫外線のエネルギーが人間の皮膚にとって強すぎるからである。

雷は上空に高電位層、対して地上はアース(ゼロ電位)であるから、原理的には直流放電である。上空に電荷をたくさん詰め込んだコンデンサが直列にたくさんつながれていて、あるきっかけでそれが一気に放出されると考えればよい。

ところで、空気という気体(そんな気体分子は存在しないが)は、半導体業界では真空に次いで優秀な絶縁材料として捉えられている。多層LSIの層間絶縁膜は、空気(空隙と言うが)が理想的なのである。

そんな空気を一瞬にして絶縁破壊し、地上へと降り注ぐ稲妻は、想像を絶するような高エネルギーの固まりである。

上空と地上という不平等な電界により火花放電(Spark Discharge)が行われるわけだが、この放電によって放出される電子は、より導通し易い場所を選んで地上へと到達する。「背の高い人が危険」とか「木の下が危険」とか言われるのは、人体や木が空気と比較して電流を通しやすく、そしてより高い位置に存在している導体を選んで電流が流れるからである。

レーザーはさらに危険である。もし雷が鳴っているさなか、上空に向けてレーザー光線を発したら、たちまち雷は自分めがけて放電してくるだろう。逆に言えば、この性質を利用した避雷針(針じゃないけど)も存在する。

雷を目の当たりにしたとき、その光がより明るく、より白に近かったら「ああ、打たれたら死んじゃうな」と思えばいい。その前に、微弱な電流であれ、100mA程度の電流で人間は死に至るわけだが…。

電気って怖いわね。

以上。

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