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2010年6月14日月曜日

浜松「楽器博物館」訪問

2010年6月12日(日)
浜松の楽器博物館へと行ってまいりました。

浜松というのは所謂「楽器の街」でありまして、日本のピアノの100%(個人工房などはのぞく)は浜松産なのであります。そんな浜松に「日本初の公立楽器博物館」として1995年にオープンしたのが「浜松市楽器博物館」です。いままで話に聞くだけで行ったことがなかったのですが、ふとしたきっかけで行ってみることにしました。

入り口にある、どう見ても大砲にしか見えない打楽器。
「クローン・エー」

入り口を入ると、まずはアジアの楽器がお出迎え。きらびやかな東南アジア(インドネシア)のガムラン楽器たち。

楽器に見えませんが、儀式用の打楽器セットらしいです。

ガムラン音楽は「5音音階」という、西洋音楽とは異なる調律を持っているのが特徴。

いわゆる「銅鑼」であるが、西洋音楽で使われるものとは異なり、
真ん中に出っ張りがある。楽譜で指定される英語での名称は「Gong」。
西洋音楽で使われる銅鑼は「Tam-tam」と呼ばれ、区別される。

その他、チベットや中東、シンバル発祥の地であるトルコの楽器などが陳列されていました。

階段を下って地階へ。そこにはヨーロッパ、アフリカ、アメリカの楽器が展示してあります。今日のオーケストラでも使われている楽器たちがメインのようですが…下の画像、一体なんでしょう?

これは「テナートロンボーン」と書いてありました…が、
バルブが6つもついており、ベルは7つ。とっても変な形。
恐らく、管長に応じた倍音列を発音するベルが分離しているのだと思います。

管楽器コーナーには、変わり種楽器の定番であるアイーダトランペットや、もう既に廃れてしまった楽器などが展示してありました。アイーダ、昔オケでやったなぁ…。

「アイーダトランペット」。3,4メートルはあろうかという、その長さに驚愕。
こんだけ管が長かったら…音程合いづらいだろうなぁ。
でも、こんなのがオペラのステージに6本もあったら、とっても迫力がありそう。

オフィクレイド。かつては金管の最低音楽器としての役割を担っていましたが、
現在はご存じの通り、チューバにその座を譲っています。
ベルリオーズの「幻想交響曲」で使用されているのが有名な例。

変わり種ヴァイオリン「ストローヴァイオリン」。
藁がどうしたって?と思ったら、ストローさんが作ったから「Stroh Violin」。
レゾネータが付いてて共鳴させる、ドブロギターと同じ原理。
指板見えるのか?弾きづらそうだなあ…。
解説映像で見る限り、ドラム缶の中で弾いたヴァイオリンぽい音でした(?)。

これも「タムタム」という楽器。
右の写真、男衆の背後に見えるトーテムポールのようなもの。コレが楽器。
解説映像では、長老みたいな人が木片でしきりに叩いてました。どうやって作るんだろ…。

お次は同フロアのお隣にある「鍵盤楽器」のコーナー。いきなり現れる「連弾用のダブルピアノ」にびっくり。

昔キーボードマガジンで見たなぁ。連弾用の「ダブルピアノ」。
同じフレームに2台分のアクション、弦が共有されてあって、
反対側にもう一人のぶんの鍵盤がくっついている。
共鳴板を共有するから、ものすごい音がするらしい。

ピアノコーナーでは、解説のオネーサン方が実際にピアノを弾いたり、自動演奏ピアノを動かして解説をしていました。ショパンやリストが活動していた時代のピアノとか、アメリカで開発された自動演奏ピアノとか、見ていて聴いていて飽きることがありませんでした。

ボケボケの情けない写真ですが…。
このピアノでショパンのエチュードを演奏されていました。

ショパンの時代のピアノは、現代のピアノとはいろいろな部分で違っていて、当然音も全然違いました。今回耳にした楽器は、フランスで200年くらい前に作られたもので、今の楽器と比べると、高音域が若干抑えられ、代わりに「木の鳴る音(ミドルレンジ)」が含まれているような気がしました。言葉で説明するのは難しいな…。

「体験コーナー」にはチェンバロが置いてあり、自由に弾くことが出来ます。私は…バッハの「Air」を弾いてきました。本物を弾いたのは初めてですが、やっぱりタッチがピアノと全然違うのね。引っかかる感じ。爪で弦をはじいているから、そのときの引っかかり。音量のコントロールは、聞いていた通り難しいねえ。

チェンバロ。KAWAIから発売されていた最近のモデル。
これでバッハの管弦楽組曲とか演奏してみたいなぁ。

ピアノコーナーを過ぎると電気楽器・シンセサイザーコーナー。貴重なヴィンテージシンセがズラリ!Arpの2600、Korgのデカオルガン、ローランドのJupiter-6、System700、ギターシンセGR-500、極めつけはMoogのIIIc!本物は初めて見た。ああ、松武さんやキース・エマーソン、富田勲さんも愛用したモジュラーなのね。他にもHammond B-3やレズリーも置いてありました。この辺り、語り始めると止まらない…。シンセの背後には、シンセサイザー黎明期の代表的なアルバム(LP)が展示されていました。
ウェンディ・カルロススウィッチト・オン・バッハ
富田勲月の光
・同じく富田勲「惑星
※月の光は絶版になってるみたい。残念。

Moog IIIc。知る人ぞ知る「ムーグ・モジュラー」。
上に見えてるのは一部分で、主にオシレータ・フィルタ・アンプ・シーケンサ・コントローラで構成され、
それぞれの機能をコードでつなぎ合わせて音を作り出す。

Arp 2600。ムーグ社と双璧を成した会社で、Moogと比較してエグみのある
倍音が特徴と言われている。使用例は「ルパン三世'79」のメロディーや、
ハービー・ハンコックの「カメレオン」だろうか?
背後に見えるのが富田勲の「惑星(左)」「月の光(右)」
アープの隣にちらりと見えるはローランドのモジュラーシンセ「System700」

Hammond B-3。電気オルガンの代名詞とも言えるモデルで、
鍵盤上部に付いている「ドローバー」を出したり引っ込めたりして
音作りを行う。ドローバーはパイプオルガンのストップに相当し、
倍音を表す数字が表示されている。

以上、駆け足で紹介してきましたが、こんなのまだまだ一部分もいいところ。音楽好きなら一生に一度は必ず行っていただきたい。

浜松市楽器博物館
〒430-7790
静岡県浜松市中区中央3-9-1
浜松駅のすぐそば、アクトシティ浜松のすぐとなり。

大きな地図で見る

そういえば、何故か「YAMAHA」の楽器を一つも見なかったなぁ…。
何故だろう?

以上。

1 件のコメント:

  1. 近くの住人2021年5月29日 1:07

    日本楽器(ヤマハ)の企業博物館が近くに有ります。そこにはヤマハの楽器がごまんと展示されています。大部分の楽器は触って音を出せる状態になっています。触る事の出来ない普通の博物館とは大違いです。中でも白眉はグランドピアノがピン(フルコン)から家庭用のキリまで6台展示してあり全て弾く事が出来ます。

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