持論なのだが、
世の中に存在する文章の99%がbe動詞と一般動詞、助動詞の決まりで構成されている。
そして、それぞれの「肯定文」「否定文」「疑問文」の決まりを完全に理解すれば、どんな文章にも対応できる。
英文法上の単元は様々存在するのだが、それらは所詮be動詞や一般動詞、助動詞の決まりの上に乗っかっているだけであって、決して全く新しい概念ではない。例えば「現在進行形」は、be動詞と一般動詞+ingの組み合わせであるが、主語とbe動詞が(関係代名詞などで情報が付加される場合もあるが)隣り合わせて存在している以上、これはbe動詞の決まり事に則って解釈しなければいけない。
他に「現在(過去)完了」「仮定法」「受動態」など、様々な決まり事があるにしろ、ひとまずそれらが「be動詞コース」「一般動詞コース」「助動詞コース」かに分岐する。そのコースの決まりに則って肯定否定疑問を作成すればいいだけのこと。極めて単純である。
肯定文とは、be動詞では「〜は…である」という「イコール」の解釈になる文章、一般動詞では「〜は…をする」という「行動を行う」ことを意味する文章である。それぞれ、動詞を過去形にすることによって、過去のことを言い表すことも可能である。
be動詞の場合「SVC」の文型に従って
I am a student.
(I = S, am = V, a student = C)
He was on the bus.
(He = S, was = V, the bus = C)
では、一般動詞ではどうだろうか。
一般動詞では、肯定文を「SVO」の文型を用いて記述する。
I play the guitar.
(I = S, play = V, O = the guitar)
He read this book last year.
(He = S, read = V, this book = O)
肯定文の場合、見かけの上では
「主語」+「動詞」+「補語(be動詞の場合)・目的語(一般動詞の場合)」
と、どちらも大差ないように見える…が、文型で考えれば「SVC」「SVO」と、5つしかない文型のうち2つを占めるという、大きな違いが存在する。つまり、根本的に違う文章なのである。しかし、この2つを似たようなものとして深く解釈せず、さらっと流してしまうのは大変由々しきことであるように思う。この2つの文型を、しっかりと「似て非なるもの」と解釈することが大事であると思う。
2010/06/14訂正
ご指摘をいただいたので補足致します。
英語に限らず、言語というものは膨大な量の「例外」が存在します。上では「SVC」「SVO」がそれぞれ「be動詞の場合」「一般動詞の場合」と1対1で等価的に語られておりますが、一般動詞の場合でも「become(〜になる)」「seem(〜のようである)」「get(〜の状態になる)」「look(〜に見える)」「sound(〜に聞こえる)」などの「主語と動詞の対岸にあるもの(補語)を直接結びつける一般動詞」は「SVC」の文型になり得ます。ただし、全一般動詞の量からすれば決して多くはないため、上の例では敢えてマジョリティを優先した書き方をしております。
☆否定文
否定文になると、この両者の違いが鮮明になる。つまり、構造が全く異なってくるのである。
be動詞の場合、be動詞の右隣に「not」をつける。ただそれだけ。極めて単純な話である。
I am not a student.
He wasn't on the bus.
一般動詞の場合「do not(don't)」または「does not(doesn't)」をつける…と習ったはずだ。ところで、この「do」「does」は何?と疑問に思う人は少ない。なぜなら、そういうものだと教わるからである。この「何?」をはっきりすれば、この「一般動詞の否定文」で迷うことは二度と無いのである。
この「do not」の「do」の正体…「する」という意味の動詞でもあるのだが、「一般動詞の否定」の場合においては紛れもなく「助動詞」の扱いである。確かに中学校1年の教科書文末でも「do[助]」と書いてある。
助動詞の否定…というか「can」の否定は中1の後期で習う。用法は「can + not」である。そして、それに続く動詞は必ず原型になる。「do」と比較すると、全く同じ用法であることが理解できるだろう。
以上のことを踏まえた上で、一般動詞の否定を組み立ててみると
I do not play the guitar.
He didn't read this book last year.
参考までに、助動詞「can」を使ってみると、
I can not play the guitar.
He couldn't read this book last year.
助動詞に当たる「can」「do」、「not」の用法、一般動詞が原型になるところまで酷似していることがお分かりになるであろうか?
中1の段階では「don't」「doesn't」を使う、と覚えていていいのかも知れない。しかし、助動詞をしっかり学んだ中2以降、特に高校レベルの英語においては、上記のように解釈すべきであると考えている。
次回は、さらに明確な違いが現れる疑問文について考察する。
以上。
be動詞の場合「SVC」の文型に従って
I am a student.
(I = S, am = V, a student = C)
He was on the bus.
(He = S, was = V, the bus = C)
では、一般動詞ではどうだろうか。
一般動詞では、肯定文を「SVO」の文型を用いて記述する。
I play the guitar.
(I = S, play = V, O = the guitar)
He read this book last year.
(He = S, read = V, this book = O)
肯定文の場合、見かけの上では
「主語」+「動詞」+「補語(be動詞の場合)・目的語(一般動詞の場合)」
と、どちらも大差ないように見える…が、文型で考えれば「SVC」「SVO」と、5つしかない文型のうち2つを占めるという、大きな違いが存在する。つまり、根本的に違う文章なのである。しかし、この2つを似たようなものとして深く解釈せず、さらっと流してしまうのは大変由々しきことであるように思う。この2つの文型を、しっかりと「似て非なるもの」と解釈することが大事であると思う。
2010/06/14訂正
ご指摘をいただいたので補足致します。
英語に限らず、言語というものは膨大な量の「例外」が存在します。上では「SVC」「SVO」がそれぞれ「be動詞の場合」「一般動詞の場合」と1対1で等価的に語られておりますが、一般動詞の場合でも「become(〜になる)」「seem(〜のようである)」「get(〜の状態になる)」「look(〜に見える)」「sound(〜に聞こえる)」などの「主語と動詞の対岸にあるもの(補語)を直接結びつける一般動詞」は「SVC」の文型になり得ます。ただし、全一般動詞の量からすれば決して多くはないため、上の例では敢えてマジョリティを優先した書き方をしております。
☆否定文
否定文になると、この両者の違いが鮮明になる。つまり、構造が全く異なってくるのである。
be動詞の場合、be動詞の右隣に「not」をつける。ただそれだけ。極めて単純な話である。
I am not a student.
He wasn't on the bus.
一般動詞の場合「do not(don't)」または「does not(doesn't)」をつける…と習ったはずだ。ところで、この「do」「does」は何?と疑問に思う人は少ない。なぜなら、そういうものだと教わるからである。この「何?」をはっきりすれば、この「一般動詞の否定文」で迷うことは二度と無いのである。
この「do not」の「do」の正体…「する」という意味の動詞でもあるのだが、「一般動詞の否定」の場合においては紛れもなく「助動詞」の扱いである。確かに中学校1年の教科書文末でも「do[助]」と書いてある。
助動詞の否定…というか「can」の否定は中1の後期で習う。用法は「can + not」である。そして、それに続く動詞は必ず原型になる。「do」と比較すると、全く同じ用法であることが理解できるだろう。
以上のことを踏まえた上で、一般動詞の否定を組み立ててみると
I do not play the guitar.
He didn't read this book last year.
参考までに、助動詞「can」を使ってみると、
I can not play the guitar.
He couldn't read this book last year.
助動詞に当たる「can」「do」、「not」の用法、一般動詞が原型になるところまで酷似していることがお分かりになるであろうか?
中1の段階では「don't」「doesn't」を使う、と覚えていていいのかも知れない。しかし、助動詞をしっかり学んだ中2以降、特に高校レベルの英語においては、上記のように解釈すべきであると考えている。
次回は、さらに明確な違いが現れる疑問文について考察する。
以上。
一般動詞を使ったからといってSVOの文型になるとは限らないのでは?
返信削除I became a doctor.などの文では、SVCの文型になりますよね。
もう少し、誤解のない記述にしてはいかがでしょうか?
コメントありがとうございます。
返信削除確かにその通りで「become」自体は、それこそ「be」と同じ働きをしますよね。
実は…この本文を書いている途中、文型のみであれこれ語るには、あまりにも例外が多い気がしていました。
しかしながら、英語教育の初期段階において、文型というものをはっきりと意識させ、それに基づいて作文を行う能力の開発…というものは必須のものと考えています。
残念ながら、私が所属していた学科では、英語を苦手どころか毛嫌いするほどの「 アンチ英語」が多数でした。そういう人たちに話を聞くと、まず間違いなく英語を暗記教科と勘違いしていました。もちろん文法に関しての話であって、単語は暗記せねばいけないでしょうが、派生語という概念を駆使すれば、覚える単語の量は確実に減るでしょう。
これは、まず間違いなく日本の英語教育の弊害と考えています。当方、塾講師をしておりますが、中3の生徒でも文型の話になった途端「?」の表情を浮かべて思考停止に陥ります。
…と書くと、またボロが出そうですのでやめますが…まあ言い訳ですけども、塾の現場では「例外もあるよ」と発言することが多いので…というか所詮言語なんて例外ばっかりなのでね、英語の例外に関してはある程度把握しているつもりですが、やはり文型初心者(英語初心者ではなく)には「一般動詞は目的語を持つ」「be動詞は『イコール』の役割で補語を持つ」と考えるのが手っ取り早いと思い、本文ではそのような書き方を致しました。
確かに誤解を招きかねない書き方であったと思います。
早速修正してみたいと思います。
ありがとうございました。