室蘭という街と馴染みの深い、某氏の言葉。
わたくしは
必ずしも
そのような
思いをもって
申し上げた
わけではないと
ある意味で
ご案内の
通りですが、
様々な方々の
思いというものを
感じあえて
申し述べるべきでは
ないとそのように
認識しております
これを英訳したらどうなるか?
英訳で重要なことは、
・結局、誰がどうしたのか(簡単なSVの文章を見いだす)
・文章の切れ目はどこか(接続詞で切れる部分を見いだす)
・矢印の方向はどちらか(前置詞を使いこなす)
だと考えている。特に「誰がどうした」という、英語ではごく基本的な文型は、日本語では曖昧になりがちであるように思う。英訳のコツは英語に慣れることであるとともに、日本語に置き換えて考えることも重要であるから、是非日常でも、上の「わたくしは必ずしも〜」みたいな、非常に曖昧な日本語は慎むべきであると思っております。ハイ。
で、その曖昧な文章をむりやり英語にするのだが…。
まずは、文の切れ目の確認。
この文章は、
<前半部分>
わたくしは
必ずしも
そのような
思いをもって
申し上げた
わけではないと
ある意味で
ご案内の
通りですが、
必ずしも
そのような
思いをもって
申し上げた
わけではないと
ある意味で
ご案内の
通りですが、
<後半部分>
様々な方々の
思いというものを
感じあえて
申し述べるべきでは
ないとそのように
認識しております
思いというものを
感じあえて
申し述べるべきでは
ないとそのように
認識しております
文章の接続は「しかし」で行われているから、この部分は「though」で接続することにする。
では<前半部分>を解釈してみよう。
結局は「〜〜〜はご案内の通りである」という文章であるから、出だしは、
as you know, 〜〜〜
で始まる。ちなみに、これは文末においても問題はない。
「〜〜〜」の中身であるが、この文章も結局は「私は…申し上げたわけではない」である。よって
I didn't mean to say that…
で始まる。これで、英文の骨組みはできあがったわけである。
では、細かい肉付けをしていく。
何を申し上げたわけではないのか?を「that」以下に記述する。
「そのような思いを持って申し上げたわけではない」とある。
つまり「そのような思い」というのは、この話者が「申し上げた」際に付随していた感情のようなので、「that」ではなく「with」に変更してみよう。よって
I didn't mean to say with such an idea
とでもなるのだろうか?
次に、残された「必ずしも」と「ある意味で」をどう解釈しようか…。
「必ずしも」は「申し上げたわけではない」に、「ある意味で」は「ご案内の通り」にそれぞれかかっている。「必ずしも〜ない」は「not necessarily」を用いて、また「ある意味で」は「in a sense」を用いよう。
最後に、上記パーツを組み合わせると、
In a sense, as you know, I didn't necessarily mean to say with such an idea, though,
となる。
次に<後半部分>を解釈する。
この文章も、結局は「私は認識している」という、ごく単純な文章である。
主語は書かれていないが、文意から「私」であると判断した。
「認識している」という言葉尻から「現在進行形ではないか?」と勘違いしてしまう場合もあるが、これは「たった今理解が始まった」ということではなく「前から理解していて、今も理解が継続している」と解釈すると、現在完了を用いるのが普通だろう。
何を認識しているのか?
「申し上げるべきではない」ことを。
隠されているが、これも主語は恐らく「私」であろう。
なぜ?
「様々な方々の思いというものを感じ」たから。
よって、パーツ作りは簡単である。
「私は認識している」
I've understood that…
「申し上げるべきではない」
I shouldn't say it
なぜなら「様々な方々の思いというものを感じ」たから
because I had felt civilian's opinion
次に「あえて」を「dare to...」を使って、
I shouldn't dare to say...
最後に、前後半を繋げて
"In a sense, as you know, I didn't necessarily mean to say with such an idea, though, I've understood that I shouldn't dare to say it because I had felt civilian's opinion."
この人の言うことを記事にする外国人記者は大変だっただろうなぁ…。
それこそ「loopy」の日本語訳が日本において議論の対象になったように、この人の曖昧すぎる日本語を以下に忠実に英訳するか、ニュースデスクと一悶着…あるわけないか。この人の言うことを真に受けたりなんかしないか。
上記の通り、英作文はいくつかの段階を経て行うべきであると考えている。日本語での作文でも同じであろう。筋道を立て、文と文の関係を書き手が理解していないことには、読み手にも伝わらないはずである。
しかしながら、その段階というものはごく簡単なものであり、最終的にはできあがった英文を組み合わせるだけである。その単純な作業に、まずは慣れることが大事なのではないだろうか?
以上。
それこそ「loopy」の日本語訳が日本において議論の対象になったように、この人の曖昧すぎる日本語を以下に忠実に英訳するか、ニュースデスクと一悶着…あるわけないか。この人の言うことを真に受けたりなんかしないか。
上記の通り、英作文はいくつかの段階を経て行うべきであると考えている。日本語での作文でも同じであろう。筋道を立て、文と文の関係を書き手が理解していないことには、読み手にも伝わらないはずである。
しかしながら、その段階というものはごく簡単なものであり、最終的にはできあがった英文を組み合わせるだけである。その単純な作業に、まずは慣れることが大事なのではないだろうか?
以上。
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