昨日の「エコキュート」の続き。
腑に落ちない点があったのと、カタログデータが手に入ったので、試算をやり直してみた。
カタログには「APF」という、効率を表す数値が記載されている。
APF=(一年で使用する給湯にかかる熱量)/(一年で必要な消費電力量)
(東芝:エコキュート家庭用総合カタログ2009-11第2版より)
これが高ければ高いほど、機器としての性能が良いということらしい。
…しかし、肝心の単位がどこにも書いていない。
熱量(J)と電力量(kWh)の比較なので、同次元の比較であるということは明白なのだが。
調べたところ、どちらもMJ(メガジュール)で比較してある。
とりあえず、先日用いたガス方式の熱量→640kJを用いて比較してみる。
ちなみに上記式では「一年で」となっているが、比較のため1秒当たりに変換している。
どちらにしろ一年間の秒数で割れば同じことだし、1秒当たりを一年で積分すれば同じことだ。
東芝のカタログには「3.3(HWH-FB370C)」と「3.2(HWH-FB460SC)」のAPFが記載されているが、3.3の方を用いることにして、
3.3 = 640kJ / P (電力量:MJ)
∴ 3.3 = 0.64MJ / P
∴ 3.3 x P = 0.64
∴ P = 0.19394 (MJ)
kWhに変換して、
P = 0.05391532 (kWh)
すなわち、20℃の水1.9Lを沸騰させるのに
0.05391532≒0.054kWh
の電力量が必要であるということである。
我が家のガス単価は
179.27円/㎥
らしいので、これをmolに変換する。
1molの気体は常温大気圧(1013hPa、273K)では22.4L=0.0224㎥であるから、
1: 0.0224 = x : 1
∴1㎥ = 44.6428571 (mol)
よって1molあたり、
179.27 / 44.6428571
=4.01564801 (円/mol)
であることから、ガス方式では、
1秒で1.9Lのお湯を生産するのに約4.02円要することとなる。
一方エコキュートでは、同様の条件では約0.054kWhの電力量を必要とする。
我が家の電力単価は…契約方式がいろいろあるが、平均すると21.62円/kWhとなった。
よって、同条件下では、
0.054 x 21.62 = 1.16748 (円)
得られた金額より、エコキュートの方が約4倍効率がいいこととなる。
すごく大雑把ではあるが、コスト的な計算は以上である。
また、CO2排出に関してはどうだろうか。
ガス方式の場合、
CH4 + 2O2 = CO2 + 2H2O + 熱(802kJ)
より、1molのガス燃焼反応によって1molのCO2が発生する。
よって、上記条件下ではCO2の排出量は1mol = 44g(=分子量)である。
電力消費の場合、電力料金請求書を見る限り、以下の式によって算出するらしい。
使用電力量(kWh)x 0.33(係数)= CO2排出量(kg)
(「地球温暖化対策の推進に関する法律施行令」2008年度東京電力実績値)
今回の場合は、使用電力量が約0.054kWhであるから、
0.054 x 0.33
=0.01782 (kg)
=17.82 (g)
排出量も電気使用の方が約1/3と少なかった。
結論。
・同一条件下では、エコキュートの方が単価は安い。
・初期投資、 保守費用を含めると変わってくる可能性はある。
・ガス方式と比較して、電気使用の方がCO2排出量は1/3程度。
ざっと計算した結果を示してみた。
以上。
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