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2010年5月24日月曜日

[読書記録]絵とき「薄膜」基礎のきそ

著者:小林 春洋
出版:日刊工業新聞社

浪人中も材料から離れちゃいけない!ってことで借りてきた本。
材料プロセスの中でも「薄膜」に特化した一冊。

薄膜の中でも自分がやってたのがプラズマCVDプロセス。
材料ガスをプラズマで分解して、p型シリコン基板に堆積させる。
ただ「薄膜」っていっても分野が広くて、ざっと挙げても
・エッチング
・MBE
・スパッタリング
・CVD(熱、プラズマ、レーザ)
など、いくつもプロセスがあるので…事細かに説明する紙面的余裕は無いんだろうなぁ、と思いつつも借りてみる。

やっぱり紙面的な余裕がないようで、それぞれが「どういうもので、何故必要で、どういう装置で、どうやるか」程度しか書いてない。現場で勉強している人には何を今更…的な内容かも知れない。でも、これから薄膜プロセスに携わろうとしているスタートラインな人には非常にわかりやすい内容だと思う。

実際に薄膜を制作するには電磁気学、物理学(古典物理学、量子力学)などの予備知識が必要で、装置さえ操作できれば…ってわけではないんですね。まず、真空が良くなきゃいけない。この本でもしっかりその点について触れられていますね。あとはバケガク(化学)の基礎(といっても本当の基礎でなくて、大学レベルの一歩踏み込んだ内容)もある程度書かれています。イオンとか、気体粒子の挙動とか、結晶構造とか、放電の基礎とか。

以上のように、大学レベルの基礎的勉強をやった人が、薄膜に関する勉強のターゲットを絞るために活用する本だという印象。いわば「教科書」かな?ただ、大学の講義で「基礎薄膜工学」…みたいな講義ってあるのかな?あるんだったらなかなか有効な教科書になりそう。あとは、そういう研究室で配属された3,4年生に買わせるとかね。

もうプラズマCVDで大学院出てる個人的評価では…
☆☆☆

でも、上記のように有効活用と思われるので…
☆☆☆☆☆

以上。

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